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モンテッソーリ教育は100年以上前にマリア・モンテッソーリ医師がイタリアで構築した子どもの自主性を伸ばす教育法で、2歳半から6歳児向けのプログラムは五つの分野に分かれています: 日常生活の練習、感覚教育、言語、算数、文化


日常生活の練習

この分野では、最初の活動で「物を運ぶ」等の基本的なことを学び、子どもの発達状態に合わせて「埃を払う」等の環境への配慮や、「鼻をかむ」等の自己自身への配慮、「『どうぞ』と『ありがとう』を使う」等の気品と礼儀の他に、「線上歩行」等で、運動の分析と調整を身につけます。重要なのは子どものサイズに合った「本物」を使うこと。例えばプラスチックではなくガラスのコップを使用することで、コップを落としてしまったときに「ガラスは落としたら割れる」という、「自分の行動が招いた結果」を学ぶことができ、物を「丁寧に扱う」ことを覚えます。日常生活の練習の分野では活動を繰り返すことで感覚教育に必要な身体のコントロール(身体を自分の意思どおり自由に動かせるようになること)、集中力を養うことができます。言語の分野も国や地域によって違いますが、日常生活の練習にはその土地の「文化」が反映されています。


感覚教育

感覚教育では五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を洗練させ、それに付随する言葉を学びます。教具には幾何学(図形)につながるものも含まれ、例えば同じ大きさの正三角形を組み合わせて、ひし形や台形、正六角形を作ること等を感覚的に学びます。レッスンにはいくつかの段階があり、「色板」を例にあげると、赤・青・黄の3原色を対にすることから始まり、11色(赤・青・黄・紫・緑・橙・桃・茶・黒・灰・白)の活動を経て、9色の漸次性(ひとつの基準色に対し7段階の濃淡板)へと進みます。幼児期から「色」にも種類があるとわかれば、物の見方や表現方法が変わり、子どもの世界が広がることでしょう。感覚教育が「世界への鍵」や「世界への扉」と言われる所以です。


言語

言語の分野は日々の活動を通してボキャブラリーを増やすことから始まり、話す → 書く → 読む、というように発展していきます。「話す」段階で正しい発音が出来ていなければ「音」を頼りに文字カードを使って言葉を組み立てる「書く」という活動に進むことはできません。そして子どもが周りにある文字を自然に読み始めたら本格的に「読む」活動を始めます。その他に品詞の役割りや簡単な文法も学びます。


実話と作り話の区別がつかない年齢の子どもに「大きくなったら何になりたい?」と聞くと、「仮面ライダー!」等という答えが返ってくることがありますので、テラ・モンテッソーリ・スクールでは「伝記」や「実話に基づいたお話」「ことわざ」等を紹介しても、ディズニーやアンパンマン等の絵本は使用しません。


算数(「数」ともいいます)

モンテッソーリ教具は徐々に抽象化され難易度が増すように作られています。先ず最初に、1~10の数の基礎を覚えたら、次にビーズの教具を使用して1の桁、10の桁、100の桁というように、ひと桁上がるごとに10倍になる「十進法」を学びます。子供は数がどんどん増え重さも増していくビーズの教具を使用することで感覚的に数の増減を学ぶことができます。活動が進むに毎に教具はより抽象化され、最終的には足し算・引き算・掛け算・割り算の「筆算」ができるようになることが目標です。


「5 x 7」と「7 x 5」の違いは分かりますか?モンテッソーリ教育を受けた子どもの脳裏には、直ぐに二つのイメージが浮かぶはずです。


文化

文化の分野には地理、歴史、生物、美術、音楽、等が含まれますが、多くの情報を与えるのではなく、いろいろなことに興味を持つことができるような種を蒔いてあげることが重要だと考えられています。幼児期から多文化に触れることで視野が広がり、「違う」ということは決して悪いことではなく、それが「個性」であり誰もが尊重されるべきだということを自然に学びます。質の高いモンテッソーリ教育を受けた人は平和主義者で争いを好まない傾向にありますが、しっかりと「自分」というものを持っていて、「和して同ぜず」という孔子の言葉を自然に実践しています。


モンテッソーリ教具は「間違いの自己訂正」ができるようになっています。「自分一人でできること」の喜びや達成感は自信につながり自立心が育まれます。子どもの自主性を伸ばすモンテッソーリ教育では「何でも大人がしてあげること」や「必要以上に子どもの手助けをすること」は子どもの成長の妨げになると考えられていますので、忙しい朝は特に大人が手助けをしてしまいがちですが、是非15分早起きをしてお子さんに十分な時間を与えてあげてください。